なぜ今、瞑想やマインドフルに関して協会が検証をしようと思ったのか
まず、世の中で瞑想に関するアンケート、マインドフルネスに関するアンケートなどを調べてみたところたくさんありました。
ネットに公開されているアンケート結果は、瞑想を教えているところ、ヨガスタジオなどが実施したものでした。
アンケートの結論としては、過半数以上が瞑想は必要なことという結果がでていたり、あまり効果がないという場合には「正しいやり方でやれば効果があります」という結論でまとめていたたりするものがとても多かったです。
では「正しいやり方」とは何なのでしょうか?
そもそも「正しい」「正しくない」とは人間が評価するものですが、「正しい」「正しくない」がたった一つしかないということはないと思います。
「正しい」は、時代や地域その人の活動やその目的によってその型は変化していますよね。
「皆が正しいと言っているから正しいんじゃない」
であれば、自分にとっての正しいは何?と自分に聞いてみることが大事になってきますね。
つまり、自分を観察するということです。
(この「正しい」についての考え方の参考になる本:「椅子と日本人のからだ」 矢田部英正先生著)
ネットや雑誌で見ることが出来るアンケートの多くは、マーケティング目的をあらかじめ定めた上で作られたものがほとんどだということを頭の片隅に置いておくと良いと思います。
つまり、サービスや商品を販売する企業が「自社の商品やサービスを売る」という目的の元作成し実施したものだと言っても良いかと思います。
ものによっては、そのサービスや商品に興味がある方を対象に行っていることもあり、そう考えると肯定的な結果が出ることが多いため、ご自身の物差しを持って参考程度にするというのが一番良いかもしれません。
瞑想やマインドフルネスの効果の検証となると、大学レベルでは脳波を測ったり、国際的に認められた(結果の検証件数が多く専門家の中で有効性が認められたもの)心理テストを実施したりして科学的なエビデンスを示すことが一般的です。
技術が進歩した現代社会では、エビデンスというものがないとなかなか世の中に信用してもらえません。また技術が進歩したからこそ、事前にその安全性を調べることが可能になり、事故を未然に防ぐことが出来ているのも事実です。
さて、本題の「私たちが瞑想の効果検証を実施しようと思ったワケ」についてお話ししたいと思います。
きっかけは、欧州を本拠地とする国際ハイドロサーマルテクニーク協会が実施するアンドレス・カンポ賞への参加のお誘いがあったことにあります。
この協会は、第一次世界大戦、第二次世界大戦を通じて多くの方が負傷し、薬の供給が不足したことで、温泉、鉱水、泥のミネラル、そこに住む微生物を活用して治療を行う、つまり原点回帰を提唱した医師たちによってつくられた協会です。
毎年、様々な研究報告が応募されています。残念ながらコロナ下では実施を見合わせていましたが、2022年再び開催されることになりました。私たちが月一で開催しているセルフケアの勉強会に大変関心を示してくださっているウゴ・フィコセッコ医師が、TERRA小屋でやっているテーマの中で日本ならではの「調心、調身」について検証し、報告書という形で紹介てみないかと、参加のお誘いいただいたことが一歩踏み出すきっかけとなったわけです。
今回の検証は予算の都合もあり(笑)脳波は測定できませんが、心理検査と心拍数・メンタルテンポを測ることで心の状態の変化を見ていくことを目的としたものになります。
私たちが考える調心・調息・調身のための瞑想とは
ブログでも瞑想とマインドフルネスについて書かせていただきました。
その際、日本の文化や昔からやっていたこと、マインドフルネスがどうやって世界に広がったのかについてもお話ししていますよね。
ちょっと考えてみてください。瞑想やマインドフルネスについての本のサブタイトルやタイトルです。あなたは、思わず手にとってみたくなりますか?
『〇〇もやっていた賢人の瞑想術』
『ストレスがなくなり集中力がアップしていく瞑想法』
『誰でも思うがままに夢がかなう』
『世界のエリートたちを魅了する最強のツール』
『仕事と人生を飛躍させる』
『自分を操り、不安をなくす』 etc…
「読んでみたいな〜」と思ったタイトルがあって当然です。
手に取ってみたくなるタイトルを作り出すプロが考えたものなのですから。つまり、これらは、売るためのタイトルであって買う人のためのタイトルではないということを一回自分の中で消化してから入手することで、本への理解も変わってくると思います。
あたかも瞑想すれば人生バラ色、悩みがなくなる、仕事も上手くいくと思ってしまうタイトルだけに魅かれて読むと、書いてあるがままに模倣してやればその通りになるという思い込みが生じてしまいます。
実際に上手くいかなかった時は、瞑想やマインドフルネス自体を否定する、または「著者のようになれなかったのは自分がいけないんだ」とご自身を責めるようなことになりかねません。
大事なのは、その本を手にしたいと思ったご自身が、なぜ必要だったのかという状態を見つめてから、その本を読むことです。
ワラをもすがる思いで読んでしまうとおそらく「成功した方の意見が全て正しい!」と思い込んでしまう危険性があるからです。
せっかく良いものでも、みんながやってるから、良いって言われているから、セレブがやってるから、という理由でやるのでは、自分の身になりません。
私が考える瞑想について絵にしてみました。特別なことでなく、やり方さえ知っていれば自分の人生に良い塩梅に使えると思うのです。よろしければご参考に!
つまり「瞑想すればよいことが起きる」ではなく、人生の中でいろんなことが起きたり、意見があったりする中で、自分のことを見つめてその状態を受け止めることで、次の道が開けたり、行くべき方向がみつかったり、考えが整理できたりするわけです。そのプロセスに瞑想という道具を用いると上手く行くよ!ということなのではないでしょうか
道具を使うのは、私です。道具に支配されてはいけません。上手く使うも下手に使うもご自身次第。そのために、学びというのは一生ついてくるものだと思うのです。
今回の検証では、「瞑想って良いと聞いてるけどどうなんだろう。」「目を閉じて無になり静かな時を過ごすのが瞑想でしょ。」「なかなか瞑想を習慣化できない」「続けているけど行き詰っている」などに近い思いや考えがある方を対象に行います。
また、瞑想に入る前に少し文化的背景もご説明します。インドから中国そして日本に伝わり日本人の風土あわせて生活に入り込んできた瞑想についての理解もすこし深めていただく機会になります。
検証するテーマは
★コロナの影響によりオンラインで何でも行えるようになってきた昨今、瞑想に関しては自然環境の下リアルで行うグループ瞑想とオンライングループ瞑想を比較し違いがでるか?
ということです。
年齢・性別・仕事の環境が異なる方々に心理テストと心拍数を瞑想前後に行っていただき、体を調えて、瞑想に入っていき、その前後の気分の状態を比較をしていきます。
心理検査は、公認心理師の方でないと利用できないケンブリッジ大学で開発されたものを利用します。(簡単な質問に答えるだけのものですのでご安心を!)
検査のフィードバックを各人にさせていただきますので、その日に行った瞑想の時間が自分にとってどんな変化をもたらしたのか、または変化がなかったのかを客観的にも見ていただけるかと思います。
検証結果は、日本の中で行われてきた調心・調息・調身の一環としての瞑想という行為の解説と共に報告書としてまとめて9月末までにアンドレス・カンポ賞に提出しますので結果はまた報告させていただきますね!
オンライン参加の枠はまだ若干名受けていただけますのでお気軽にお問合せください。
参加は無料です。
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